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薬剤師がパワハラで辞めたいと感じたら|証拠の集め方・相談窓口・転職の選択肢

職場のパワハラに悩む女性薬剤師のイラスト
編集部

毎日のように責められて、もう辞めたい…。それは、あなたが弱いからではありません。

この記事では、薬剤師の職場のパワハラへの向き合い方を解説します。

理不尽な叱責や無視が続くと、心はゆっくりとすり減っていきます。

つらさを一人で抱えず、まず「これはパワハラかもしれない」と気づくことが第一歩です。

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あなたの悩みこの記事の答え
これってパワハラ?厚労省の6類型でセルフ判定
何をすればいい?記録・証拠・相談窓口
心がしんどい不調サインと休む判断
もう辞めたい会社都合退職・転職の選択肢

筆者は、パワハラに悩んだ薬剤師の声や体験談を集めて取材してきました。

同じ状況をどう乗り越え、どこに相談し、どう環境を変えたのか、その道すじをまとめました。

なお、本記事は編集部のコンテンツポリシーにもとづき、中立の立場でまとめています。

目次

薬剤師のパワハラで「辞めたい」と思うのは甘えじゃない

まず知ってほしいのは、その気持ちが甘えではないということです。

それぞれ、順番に見ていきましょう。

薬剤師の職場でパワハラが起きやすい理由

「なぜうちの職場はこうなんだろう」と、うんざりしていませんか。

薬剤師の職場は少人数で閉鎖的になりやすく、人手不足で余裕がない現場も多いものです。

逃げ場が少なく上下関係も強いため、パワハラが生まれやすい環境になりやすいのです。

あなたの職場が特別ひどいわけではありません。閉じた環境と余裕のなさが、どこでもパワハラの温床になりやすいのです。

「自分が我慢すれば」と抱え込まなくていい

責められるたびに、「自分が悪いのかも」と感じていませんか。

まじめな人ほど、原因を自分に求めて抱え込んでしまいます。

けれど、行きすぎた叱責や無視は、あなたの努力ではなく相手の問題であることが多いものです。

覚えておきたいこと

「我慢が足りない」のではありません。我慢して耐え続けることより、状況を正しく知って動くことのほうが、あなたを守ります。

つらさは心と体のサインに出る

つらさを我慢し続けると、心と体は静かに悲鳴をあげます。

眠れない、出勤前に涙が出る、といった変化は見逃せないサインです。

体調のサインについては、後半の不調サインの章でくわしく確認します。

心や体のサインは、あなたを守るための大切な合図です。気づいた時点で、我慢をゆるめて大丈夫です。

【判定】これってパワハラ?厚労省の3要件と6類型

「これがパワハラなのか」を、まず客観的に確かめてみましょう。

公的な基準に当てはめて、順に見ていきます。

【判定】これってパワハラ?厚労省の3要件と6類型

パワハラの3つの要件

厚生労働省は、①優越的な関係を背景に、②業務上必要な範囲を超えて、③就業環境が害される、の3つの要件でパワハラを定義しています。

3つすべてに当てはまると、パワハラに該当するとされています。

定義の詳細は、厚生労働省のあかるい職場応援団で確認できます。

指導とパワハラの違い

業務に必要な範囲の注意や指導は、パワハラには当たりません。人格を否定したり、必要以上に厳しく責め続けたりと、業務の範囲を超えたときに問題になります。

6類型と薬局での具体例

パワハラは、大きく6つの型に分けられます。

薬局や病院の現場に当てはめると、身近な言動が見えてきます。

下の表で、自分の状況に近いものがどの型に当たるか確かめてみてください。

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6類型薬剤師の職場での例
身体的な攻撃物を投げる・叩く
精神的な攻撃大勢の前で長時間、人格を否定して責める
人間関係からの切り離し疑義照会の情報を自分だけ共有されない・無視
過大な要求指導もなく抗がん剤の調製を一人でやらせる
過小な要求調剤から外し、雑用ばかりさせる
個の侵害結婚・出産の予定などを執拗に聞く

当てはまるものがあれば、それは我慢すべきことではないかもしれません。

「グレーゾーン」の考え方

指導なのかパワハラなのか、迷うことも多いはずです。

白黒はっきりしないグレーな状態でも、つらいと感じること自体は事実です。

判断に迷うときは、一人で決めず記録して相談することから始めて大丈夫です。

「グレーだから動けない」と我慢しなくて大丈夫です。迷う時点で十分つらいのですから、記録と相談を始めていい段階です。

薬剤師の職場で起こりやすいパワハラの具体例

薬剤師ならではのパワハラは、加害者の立場によって形が変わります。

自分の状況に近いものを、確かめてみてください。

薬剤師の職場で起こりやすいパワハラの具体例

上司・管理薬剤師からのパワハラ

評価や指導する立場を使って、追い詰めてくる。

逆らえない相手だからこそ、断りにくく逃げ場がありません。

立場を背景にした行きすぎた叱責は、優越的な関係によるパワハラに当たる場合があります。

上司との相性そのものに悩んでいる場合は、対処の切り口が少し変わります。相手が上司なら、後半の相談・記録とあわせて考えてみてください。

先輩・お局からのパワハラ

直属の上司ではない先輩から、無視や嫌がらせを受けることもあります。

これも続けば人間関係からの切り離しとして、パワハラに当たる場合があります。

お局や派閥への対人的な立ち回りは、薬剤師のお局・派閥への対処法でくわしく解説しています。

覚えておきたいこと

加害者が上司でなくても、パワハラは成立します。同僚や先輩からの継続的な嫌がらせも、我慢すべきものではありません。

過大・過小な要求という形

叱責だけがパワハラではありません。

指導もなく無理な業務を押し付ける、逆に仕事を与えないのも問題です。

薬剤師の専門性や責任感につけ込む形の要求は、見逃されやすい注意点です。

「できて当然」と丸投げされるのも、立派なパワハラのサインです。安全に関わる業務ほど、適切な指導が受けられて当たり前です。

パワハラを受けたら|まずやること(記録と証拠)

「つらい」で止まらず、次の一歩につなげる準備をしましょう。

できることから、少しずつ始めてみてください。

パワハラを受けたら|まずやること(記録と証拠)

言われたこと・日時を記録する

つらい出来事は、忘れようとせず書き残しておきましょう。

いつ・どこで・誰に・何を言われたかを、スマホのメモに残すだけで十分です。

この積み重ねが、あとで相談するときの大切な記録になります。

記憶はあいまいになりますが、その日のメモは残ります。短くてよいので、出来事のたびに記録する習慣をつけましょう。

録音・メール・診断書などの証拠

メモに加えて、形に残る証拠があるとより心強いものです。

叱責の音声、指示のメールやチャット、心療内科の診断書などが挙げられます。

どれも、あなたのつらさを客観的に伝える材料になります。

証拠になりやすいもの
  • 言動の録音・メール・チャットのスクリーンショット
  • 出来事を書いた日時つきのメモや日記
  • 心身の不調がある場合は医師の診断書

一人で抱えず社内に相談する

証拠がそろってきたら、一人で抱え込まないことが大切です。

会社にはハラスメント相談窓口の設置が義務づけられており、まずそこに相談できます。

社内で言いにくいときは、次の章の外部の窓口を頼って大丈夫です。

会社には、働く人の安全に配慮する義務があります。相談することは、わがままではなく正当な行動です。

外部の相談窓口|労働局・専門機関

社内で解決できないときは、外部の無料窓口という手があります。

それぞれの窓口を、順に見ていきましょう。

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窓口相談できること
総合労働相談コーナー職場のトラブル全般(無料)
労働条件相談ほっとライン労働条件・残業などの悩み
こころの耳働く人のメンタルヘルス
弁護士法的な対応を検討したいとき
外部の相談窓口|労働局・専門機関

総合労働相談コーナー(労働局)

どこに相談すればいいか分からないときの、最初の窓口です。

くわしくは、厚生労働省の総合労働相談コーナーで確認できます。

労働条件そのものの悩みは、労働条件相談ほっとラインでも相談できます。

相談前にしておきたいこと

相談のときは、記録したメモや証拠を手元に用意しておくとスムーズです。事実を時系列で伝えられると、相談員も状況を把握しやすくなります。

こころの相談ができる窓口

つらさで心が限界に近いときは、気持ちの相談を優先してください。

厚生労働省の「こころの耳」では、働く人のメンタルヘルスを無料で相談できます。

話すだけでも、気持ちが軽くなることがあります。

働く人の相談はこころの耳(厚生労働省)へ。電話やメール、SNSでも相談を受け付けています。

弁護士という選択肢

法的な対応まで考えたいときは、弁護士という選択肢もあります。

慰謝料の請求などを検討する場合は、専門家に相談するのが確実です。

まずは労働局や無料相談で、見通しを聞くところから始めても大丈夫です。

無理のない進め方

いきなり訴訟を考える必要はありません。まずは公的な窓口で相談し、必要に応じて弁護士へ、と段階を踏めば十分です。

パワハラで心身に不調が出たときのサイン

対応を考える前に、まずあなた自身の状態を確かめましょう。

心と体の状態を、正直に見つめてみてください。

パワハラで心身に不調が出たときのサイン

見逃してはいけないサイン

がんばりすぎると、心と体は静かにサインを出します。

下のような状態が続くときは、無理をせず立ち止まってください。

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サインの種類こんな状態が続く
眠り眠れない、朝起きられない
気持ち出勤前に涙が出る、何も楽しめない
職場に近づくと動悸や腹痛が出る
行動食欲がない、休みの日も休めない

これらは心の疲れのサインとされ、まもろうよ こころ(厚生労働省)でも早めのセルフチェックがすすめられています。

早めに休む・受診する

「このくらいで休めない」と、無理をしていませんか。

心の不調は、早めに対処するほど回復もしやすいとされています。

つらさが続くなら、心療内科などで早めに相談することを考えてください。

日曜の夜がとくにつらい、休んでも回復しないなら要注意です。我慢だけで乗り切ろうとしないでください。

適応障害・休職という選択肢

強いストレスが続くと、適応障害などの形で不調が出ることがあります。

診断書があれば、休職や傷病手当金などの制度も検討できます。

休職の進め方は、薬剤師の適応障害と休職の進め方でくわしく解説しています。

休むことは逃げではない

休職は、心と体を守るための正当な権利です。まず回復してから、続けるか辞めるかを落ち着いて考えれば十分です。

「辞めたい」ときの判断|会社都合退職・失業手当の基礎

いよいよ辞めたいと思ったとき、知っておきたい基礎があります。

後悔しない判断のために、順に整理します。

勢いで決めない・でも我慢しすぎない

「もう限界」と、勢いだけで決めてしまいそうになりますよね。

ただ、心身に不調が出ているときは、休んでから考えるのが安全です。

反対に、限界まで我慢する必要もまったくありません

まず休んで、判断できる状態に戻してから決めましょう。つぶれてから辞めるより、余力があるうちに動くほうが選択肢は広がります。

パワハラ退職と会社都合・失業手当

「自己都合で辞めると損なのでは」と、不安に思うかもしれません。

パワハラが原因の退職は、会社都合に近い扱いになる場合があるとされています。

その場合、失業手当を早く受け取れることがあるため、記録が役立ちます。

知っておきたいこと

退職理由の扱いは状況によって変わるため、ハローワークや労働局で確認するのが確実です。パワハラの記録や診断書は、そのときの判断材料になります。

辞める前に確認すること

辞めると決めても、その前に確かめたいことがあります。

有給の残りや、次の職場のあてを整理しておくと、動きやすくなります。

心に余裕があるうちに、次の選択肢を並べておきましょう。

辞めることは、キャリアの終わりではありません。合わない環境から離れることは、前向きな一歩になり得ます。

パワハラのない職場へ|派遣・転職という選択肢

環境を変えることは、パワハラから抜け出す確実な方法のひとつです。

それぞれの道を、順番に見ていきましょう。

パワハラのない職場へ|派遣・転職という選択肢

派遣で距離を置く働き方

派遣は担当者が間に入るため、職場のトラブルを一人で抱えずにすみます。

まずは今の環境から距離を置きたい人に向いた働き方です。

派遣という働き方は、薬剤師の派遣で働くという選択でくわしく解説しています。

派遣が向いている人
  • まずは今の人間関係から離れたい
  • 担当者に間に入ってほしい
  • 合わなければ職場を変えたい

\ まずは今の職場から距離を置きたい方へ /

エージェントで人間関係を事前に知る

次こそは、人間関係のいい職場を選びたいですよね。

職場の雰囲気やパワハラの有無は、求人票だけでは分かりません。

転職エージェントは内部事情に詳しく、職場の雰囲気を教えてもらえることもあります。

「人間関係のいい職場を探している」と正直に伝えて大丈夫です。デリケートな情報こそ、間に入る担当者が頼りになります。

\ 人間関係のいい職場を相談したい方へ /

失敗しない職場の見分け方

同じ失敗をくり返さないために、見るべきポイントがあります。

職場見学や面接は、雰囲気を確かめる大事なチャンスです。

スタッフの表情や会話から、職場の空気を感じ取ってみてください。

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確かめたいこと見るポイント
スタッフの雰囲気あいさつや会話が自然か
定着率離職や入れ替わりが多くないか
残業や人員余裕のない働き方になっていないか
見学時の対応質問に丁寧に答えてくれるか

気になる点は、エージェントを通して事前に確認しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

薬剤師のパワハラについて、よく寄せられる質問に答えます。

無視され続けるのも、パワハラになりますか?

継続的な無視は「人間関係からの切り離し」として、パワハラに当たる場合があります。判断の目安は6類型での判定を参考にしてください。

証拠がないと、相談できないのでしょうか?

証拠がなくても相談は可能です。ただ記録があると話が伝わりやすいので、記録と証拠のパートから少しずつ始めてみてください。

パワハラで辞めたら、会社都合になりますか?

状況により、会社都合に近い扱いになる場合があるとされています。扱いは変わるため、辞めるときの判断を読み、ハローワークで確認してください。

つらいとき、診断書はもらったほうがいいですか?

心身に不調があるなら、早めの受診をおすすめします。診断書は休職や手続きの材料になり、くわしくは不調のサインで解説しています。

転職しても、またパワハラに遭いませんか?

職場選びのポイントを押さえれば、リスクは下げられます。見学や面接での見方は失敗しない職場の見分け方にまとめています。

まとめ|薬剤師のパワハラは我慢しなくていい

薬剤師のパワハラは、閉じた職場環境で起きやすく、あなたのせいではありません。

まずは6類型で「これはパワハラかも」と気づき、記録と証拠を残すことから始めましょう。

一人で抱えず、労働局やこころの相談窓口を頼って大丈夫です。

心身に不調が出たら休むこと、そして派遣や転職で環境を変える選択肢も覚えておいてください。

あなたが安心して働ける職場で、穏やかに毎日を過ごせますように。

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この記事を書いた人

薬剤師転職ガイド 編集部。薬剤師の転職に役立つ情報を、公開情報・薬剤師の口コミ・各転職サービスの公式情報をもとに客観的に調査・発信しています。「求人票だけでは分からない本当のところ」を、あなたの目線で分かりやすくお伝えし、後悔のない転職を後押しします。

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